グラスハチェットの卵と稚魚について



※観察には10倍のルーペを使用しています。

◆ふ化までの時間
グラスハチェットの卵がふ化するまでの時間は水温26℃で32~40時間でした。
ちなみに、水温22~23℃においた卵は48時間以上かかってもふ化しませんでした。
卵の生存は確認しましたが、残念ながらふ化するまでの継続観察はしていません。


◆卵の様子
産卵直後の卵はとても小さくいびつですが、30分もすると直径1㎜ほどの綺麗な◎になります。
ほとんど色はなく透明で、内側の○は光に透かすとごく微かに茶色っぽくみえます。
数時間後には内側の○が分裂をはじめ、稚魚の身体ができ始めます。
18時間後、魚の形(尾)や、目らしき影ができます。
24時間後、時折内部でくるりと回る様子が見られます。


◆ふ化後の稚魚
ふ化直後の稚魚は非常に小さく、ほぼ透明で目やヒレの形成も不完全な感じです。
底砂の上でふ化した稚魚は、数時間経つと頭を上に身体を回転させながら水面に向かいます。
水面や浮草などに頭をつけてぶら下がる様子は泡巣にぶら下がるベタの稚魚のようです。
ふ化から2日。透明だった身体が黒くなり、目や各ヒレがはっきりと確認できるようになります。
ふ化から3日。口、エラなどが確認できるようになり、ほぼ全ての稚魚が泳ぎ始めます。

泳ぎ始めた稚魚は、水中の物陰に隠れたりせず(ハチェットらしく?)水面を泳ぎます。
この時点での見た目は全長3㎜以下のごく細い黒線状(針先でひっかいたような線)。
体長が短いことはもとより、体幅が非常に薄いため産卵箱などが全く役に立ちません。
ふ化したてのブラインシュリンプを食べられるようになったのはふ化後11日目でした。
ふ化後16日が経過しても産卵箱のスリットを楽々とすり抜けました。

ふ化から1ヵ月が経過するとハチェットらしい体形になり始めます。

hatchet01

hatchet02

画像はどちらも生後約1ヵ月。成長の良い個体で全長は15㎜くらい。
稚魚の体色は黒っぽい銀色でグラスらしい透明感はありますが親魚よりも地味な感じです。
(画像のお腹の金色っぽい色は稚魚の食べたブラインシュリンプの色です。)

ふ化後50日ほどで、体形、体色だけでなく行動もグラスハチェットらしくなります。
ここまでくると全長は18㎜くらいになり、少し小さめながら、親魚とほぼ変わらぬ姿です。



にほんブログ村 観賞魚ブログ 熱帯魚へ